ハサミを動かさずに切る、帽子職人の切り技

モノづくりへのこだわり 006

皆さんはフェルト帽子のヘリ部分をじっくりと観察したことはありますか?あまり意識しないと目につかない部分かと思いますが、実はこんな部分にも熟練の職人技が隠れていたりします。

フェルト帽のヘリ処理というのは、WABISABISMの場合まず一度内側にパタンと折って、そこにテクノロートというしなやかで自由に動くコードを入れ込む。そしてミシンでヘリを叩きます。そうすると内側にヒラヒラと不要なフェルト部分が出てきます。そこをハサミで美しく切り落とすわけですが、まぁこれが意外と難しい。

布と違ってフェルトには厚みがあるので、普通にチョキチョキ切ると必ず断面がガタガタになってしまい、とても残念な仕上がりに。なのでここはハサミを動かすことなく、道具の角度を一定にしながらも帽子本体を引き、それと同時にハサミを押すという「押し切り」をします。地味なようですがここを美しく切れるようになるまではかなり修行が必要になる、まさに職人の技が光る部分なのです。

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