スベリの糸選びにも、実はこだわりとアイデアがあります

モノづくりへのこだわり 005

スベリの糸の色。皆さん意識してみたことはあるでしょうか。実はWABISABISMの帽子は全て、スベリを縫い付ける糸の色を帽子本体の色と合わせています。カスタム感がより増すというか、差し色がワンポイントになって可愛らしいですよね。しかし、帽子本体の色とスベリを縫う糸の色を合わせている帽子は、街を見渡してもかなり少ないのです。それは一体なぜでしょうか。

一般的にスベリというのは黒いものがほとんどで、それをミシンで縫い付ける際は帽子の表側に出てくる「下糸」は帽子と同じ色、そしてスベリ側に出てくる「上糸」はスベリに合わせた黒。…というように、上糸と下糸を別々の色にすることがほとんど。昔からそういうふうに教わるものなので、特に疑問に思うこともなくその作り方に沿って工場などでも作られています。もちろんそれでも悪くはないのですが、上糸と下糸というのは糸調子が少し狂うだけで、ポツ…ポツ…と反対側の糸が出てきてしまうのです。特に厚みが不規則な天然草なんかは、どう頑張っても目立ってしまう場合がほとんど。そうなってくると見た目の美しさが損なわれてしまいますよね。

ですのでWABISABISMは万が一のリスクも全て無くしていくための意味も込めて、スベリを縫う糸は上糸も下糸も帽子に合わせた色にしています。ポツポツと悪目立ちする可能性も防ぎつつ、裏から見たらアクセントで可愛らしいという、まさに一石二鳥のアイデアなのです。

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