帽子職人が教える豆知識 004
以前「帽子に使うブラシは色ごとに選ぶべし」「ブラシは馬毛と豚毛どっちがいいの?」と二回に渡って帽子のブラッシングについてお伝えしてきましたが、今回は第三回「ブラシの仕方」について。
こちらに美しく並ぶのはラビットフェルトで制作されたポークパイ。このあと縫製作業に入りますが、もうすでに帽子全体にマットな質感ながらも艶を感じると思います。実はフェルト帽子というのは、全て反時計周りに毛流れがあります。ですので、時計回りにブラッシングをすると毛が逆立ってしまうため美しい流れは作れませんし、丁寧に優しく反時計回りに整えてあげると天井まで美しい渦をバシッと決めることができるのです。その性質を逆手に取ると、フェルトにめり込んでしまったホコリなどは時計回りにブラシをかけることで毛が逆立ち、簡単に取ることができます。美しくブラッシングしてあげるとフェルト帽は輝きを増しますので、ぜひ皆さんも試してみてくださいね。